境内散歩

keidai sanpo

境内散歩

先住職からお寺を引き継いだ時に言われたこと、「お墓の見えない緑豊かで品のいい境地を保ってほしい、国宝密庵席写しの書院茶室と庭を大切にして活かしてもらいたい」ということでした。その心を受け止めて維持につとめています。

本堂
長興寺の本堂は戦前に台風のために損壊して金ぴら堂を仮本堂として使用していました。戦後間もなく本堂再建の気運が高まり着手しましたが朝鮮戦争によるインフレにより大変苦労しましたが、1952年(昭和29年)には落成記念授戒会を催すことができました。先住職・土方玄味和尚により奈良の寺院「天平の甍」をイメージして設計されたものです。
本堂
茶室(付書院)
長興寺の茶室「静心庵」は、国宝「密庵席」の写しで、昭和51年、土方玄味和尚により建立されたものです。密庵席は、大徳寺塔頭龍光院にある茶室で、小堀遠州の好みと伝えられています。龍光院は遠州と親しい江月和尚が住した寺で、遠州公が、慶長17(1612)年に院内に孤蓬庵を創立しました。密庵席は遠州公が江月和尚の依頼を受けて好んだものと思われます。この茶室には、遠州公と親しい松花堂昭乗や狩野探幽も彩管を揮っています。
茶室(付書院)
密庵席(みったんせき)写し茶席
内部は四畳半台目、柱は丸太、面皮、角をとりまぜ、張り付壁で一部に長押を取り付け七宝入りの隠釘金具を打ち、床と棚、付書院(書院棚)を備え、書院造りの様式を示しています。点前座には手斧目を施した中柱を立て、袖壁におとなしい中杢板を篏め、落天井にして台目構えを形成し、茶の湯にふさわしい雰囲気を作り出しています。千利休の草庵と書院との調和によって、新しい茶の湯の境地を創成した点で、茶道史上注目に値する名作と言われています。
密庵席(みったんせき)写し茶席
無量寿堂(永代供養塔)
ギリシャのパルテノン神殿をイメージし、シルクロードの敦煌・莫高窟の阿弥陀仏像と天女を配した、永代供養塔『長興寺無量寿堂』が完成しました。「核家族化・少子化」「夫婦別姓」「非婚・離婚」と、家族制度の崩壊に直面しつつあります。その結果、後継者のない方々にも、安心して永眠していただける場所が必要になってきました。「行く末が、不安」このような時代の声にお応えして「無量寿堂」は誕生しました。場所は、本堂裏の霊園内。毎朝、お経とお線香が上がるので安心です。皆様のお役に立てれば幸いに思います。
無量寿堂(永代供養塔)